丹窓窯について

丹窓窯について

丹窓窯(たんそうがま)は江戸時代頃から代々うつわを作り続けている、丹波の中でも古く歴史のある窯元です。

窯の主人、市原茂子さんの作る器は、スリップウェアと呼ばれる器の表面を泥漿状の化粧土をスポイトから細く垂らしたり引っ掻いたりしながら模様を描く技法で、民藝運動で有名で、日本でスリップウェアを広めたとされる英国人のバーナード・リーチ氏より直接技術を教わった、日本人では数少ない一人です。

親交はリーチ氏が丹波を訪れる際の定宿が丹窓窯であった縁もあり、 先々代の6代目丹窓さんの時代から始まり、茂子さんのご主人の先代の7代目茂良さんは、英国のSt Ives(セント・アイヴス)にあるリーチ氏の陶房で数年修行し本場の技術を取得され、 その際に茂子さんも渡英し10ヶ月ほどリーチ氏より直接技術を教わりました。

ご主人亡き後は茂子さんが8代目として窯を守られ、受け継いだ歴史あるスリップウェアを、日々の暮らしに溶け込むようにひとつひとつ丁寧に器を作り続けています。

 

スリップウェアは、生乾きの素地にスリップ (化粧土) をかけ、上から櫛目や格子などの模様を描くうつわ、発祥はイギリスです。
母国で途絶えていたこのうつわを日本の丹窓窯にもたらしたのは、柳宗悦らと共に日本の民藝運動をけん引したイギリスの陶芸家、バーナード・リーチ、
昭和42年、運動に賛同し民藝協会に加盟していた丹窓窯をリーチが訪問したことで、窯に転機が訪れます。

 

リーチの誘いで、茂子さんのご主人で7代目の市野茂良さんが渡英。リーチが復刻に力を入れていたスリップウェアを、直々に学びました。茂良さんが亡くなり跡を継ぐと決めた時、色々な技法のうつわを幅広くやるよりも茂子さんが決めたのが、スリップウェアでした。

茂子さんが8代目を継ぐと、お茶碗や小皿など、それまでの丹窓窯になかった日用の食器のスリップウェアが登場するようになりました。
イギリスではオーブンに入れる様な大皿が中心でしたが、茂子さんはあえて茶碗や小皿など、小さなものを作陶しました。

丹波は白や黒、灰釉 (はいぐすり) 等、落ち着いた色味の釉薬が多かったので、スリップすることで模様が入理、パッと華やかになるというのが魅力となり、一気に人気が広がりました。

丹波の系譜を受け継ぎながら、本場イギリス仕込みの、日本にしかない小さな小さなスリップウェアを、現在は娘さんと一緒に作陶を続けていらっしゃいます。

Northern Morning Storeでは、大好きなスリップウエアを中心に、5寸前後の様々な形状のお皿を販売させて頂く予定です。

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