小鹿田焼は、大分県日田市(ひたし)の山あいで300年間、受け継がれてきた伝統的な焼き物です。
そのルーツは西暦1600年に朝鮮から連れてこられた陶工により開窯された小石原焼(福岡)の兄弟窯です。
そのため、技法などは小石原に共通するものが多いのが特徴です。
小石原から招かれた柳瀬氏と日田の黒田氏によって小鹿田焼の歴史は始まります。
約400年の歴史を持つ小石原焼(福岡)や龍門司焼(鹿児島)に並ぶ歴史の長さを持ちますが、それを今も守る独特のシステムがこの焼物を守り、これらのことが柳宗悦やバーナード・リーチにより大きく評価され、その名前が全国に知れ渡ったそうです。
技術の伝承は親から子へと受け継がれる、一子相伝の世襲制です。現在の窯元は開窯時からの流れを汲んだ9軒のみ。
時代とともにほかの産地で機械化が進む中、小鹿田焼では、すぐ近くにある山の土を原料にし、川の力を借りて、家族全員が参加しながら、すべての工程をこつこつと手作業のみで行っています。
まるで時間が止まっているかの様で、焼物を作る工程は300年以上変わっていないと言われ、電気やガスといったものも存在せず、あるのは作業場のあかりくらいだそう。
小鹿田焼の作り方、その独特なシステムですが、裏の皿山から皆で陶土を持ち帰って砕き、唐臼で10日~20日搗かせて粉にします。次に水槽で水簸し濾します。そして「おろ」という台で水抜きしようやく陶土になります。
成形は蹴轆轤、半乾きで高台を削りだします。
もちろん天日干し。
刷毛目や飛び鉋、うち掛けに流し掛けの装飾を施釉、全て生掛け、素焼きはしていません。
そして最後に焼成ですが、もちろん登窯です。
古材、そして杉を用い、共同窯だと2日以上かけ窯焚きします。
2~3日をかけゆっくりと冷まします。
以上の工程を経たものが小鹿田焼です。機械は使わ図、職人を雇ったり弟子を採ることもしない、これが小鹿田焼のしきたりであり、独特のシステムです。
小鹿田焼の窯元は全部で10軒、
柳瀬・黒木・坂本・小袋(黒木系)の4姓で、いずれも開窯からの流れを汲む窯です。
現在は10軒のうち5軒が共同窯で、5軒が個人窯として運営されていますが、それらは全て「小鹿田焼」という共有のブランドであり、個人の名前を器に入れることはありません。
当店はあえてこの共同窯の「小鹿田焼」をブランドとして仕入れ、販売をしておりますので、全てのうつわの底面に小鹿田焼の名前が記されています。
今や小鹿田焼を代表するかの様な坂元創さん。このyoutubeをみると小鹿田焼そのものの魅力、そしてカルチャーが分かりますので、是非ご覧ください。